我が家の先祖代々の墓所というのは大阪から高速バスに片道三時間乗って、さらにそこからタクシーで一時間以上かけて行ったところなのですね。鉄道の在来線ではかえってアクセスが不便になるというとんでもない田舎で、ろくな宿泊設備も無く、現地の親戚というのがすでに絶えておりますから、向こうで泊まるあても無いわけで、つまりお盆の墓参りとなると、これは日帰りの強行軍とならざるを得ないわけです。もうこうなったら墓石は大阪に移そう、と考えるのも当然でしょう。
墓石は大阪に新たに建て、先祖供養もこちらで行うということになれば、自分が歳をとって遠出が叶わなくなっても、手近な墓所でお参りが可能になります。正直な話、うちの田舎の墓所というのが、集落からさらに離れた、とんでもない山の上にあるものですから、今の私でもなかなかお参りすることが億劫なのです。いくらご先祖を敬う気持ちがあったとしても、身体がきかなくなれば当然そうしたことも考えていくべきでしょう。
加えてこの墓所というのが江戸時代から続く古いものなので、お墓そのものもそうですが、そこにたどり着くための道そのものがすでに荒れ果てているわけです。若いうちならともかく、足元の弱った年寄がお参りするには、相当にヘビーな条件と言わざるを得ません。もし墓石は大阪に移して新たにこちらに墓所を建てるということになれば、いくらでも平坦で安全なところに、しかもアクセスの便利な立地で建てることが可能なはずです。
ところで、墓石は大阪に新しく建てるとして、以前から田舎にある、先祖代々のお墓をどうするかという問題です。これは宗派によってもいろいろでしょうが、一般的なのは菩提寺にお願いして一旦「魂を抜く」儀式を行っていただき、お骨をこちらに持ってくるという方法です。ただ、古いおうちの場合、お骨が沢山納められていて、とてもみんな移すというわけにはいかないのが現実的なところでしょう。
こういう場合、うちの場合でしたら亡父の遺骨だけこちらに移させていただき、残りについては断腸の思いで「永代供養」をお願いすることになります。なんとか年一度ないし二度のお参りでお許し願って、可能な限り守って行くことになるでしょう。もっとも新しく建てた墓石は大阪でも、田舎のお墓の土さえ持って来れば、こちらで先祖代々の供養も行えるということのようです。これなら仏壇だけを拝んで済ませるより遙かによいのではないでしょうか。
墓石を大阪の参考情報 → 墓石 大阪でペット墓販売を行う射場石利石材が運営する『安心墓石.com』